熊本地震から半年が経とうという、10月2日に、名古屋北支部の研修旅行で熊本を訪れました。
セントレアからボンバルディア製のプロペラ機に乗り約1時間、着陸態勢の機内から見える熊本の風景は、点在する青い屋根。ブルーシートに覆われた住宅が予想以上に広範囲に広がっていて驚きました。ほとんど手付かずのままの状態で半年を迎える。
熊本空港から西原村の仮設住宅を視察後、益城町の避難所に向かいました。
被災者1600名以上を受け入れた益城町総合運動公園避難所。管理運営は熊本YMCA、民間団体がこの人数を受け入れたのは国内初とのこと。
その避難所の所長を努めている大久保さんから報道されていない話や避難所内部の視察をさせていただいた。
地震直後、体育館の天井は一部破損し、天井ボードの欠片が落ちた程度、避難所開設にあたり、被災者を体育館に入れようと言われていたが、大久保さんの直感で危険と判断、その後、2回目の大きな揺れ、本震がやってきた。体育館の天井は大きく落ちた。避難所にしていたら多くの命が奪われたであろう。
所長の予感が的中したことになる。その後、私たちが知らない世界の話に。
避難所が開設されてすぐに、表向きは優しい人たちが大勢押し寄せてきた。
実は裏社会に繋がる人たち、災害がビジネスチャンスと考えているようだ。
それから、マスコミは、伝えたい事が伝わらない。マスコミは都合の良いところを切り取る。また、SNSなどによる偏った情報により、大量のオムツと生理用品が届くが処理しきれない。そして、芸能人のボランティアが来るが中には独りよがりの行動も。聞いていると、避難している人は当然、YMCAのメンバーも皆、被災者である。そんな中、避難所の運営は、被災者のことより、それらのどうでもいい仕事に振り回されるトラブルの連続だ。
本来、大久保さんは益城町の総合運動公園の管理するスポーツ施設の所長であったが、避難所の所長として奔走するのである。そんな状況の中で必用なモノを取り寄せるために、行政と粘り強く交渉したり、企業からサポートを引き出すなど、折衝能力が高いことが分かる。突然の災難の中、冷静に判断し行動が出来る能力をどこで身につけたのか、本人に聞いてみた。それはYMCAのキャンプに参加して身につけたと。BBQで楽しむキャンプではないようだ。フィールドの中で、生きることやコミュニケーションの大切さを学び人間力につなげている。
名古屋から被災地に訪れた理由は、1つは義援金をお届けすること。もう一つは、有事の際に何が起きるのか、そして何を備えておかなくてはいけないかを考えるために訪れました。熊本で起きていることを、地元の名古屋で話し、いつか来る有事に備えなくては。避難所でお聞きした話で一番ショックだったのは、裏社会のビジネスより、良かれと思って行動してくれる、善者。この人達の思いが受け取れないときに変化する悪意。気持ちの押し売りにならないようにしなくては、しかし立ちどまる事も良くない。いま、どこの地域も被災しておかしくない時、一人ひとりの行動を考え直して、備えよう。
最後に、避難所で貴重な話をいただいた大久保所長に感謝します。また、YMCA熊本に繋いでくれた北支部研修委員長の下村さんにもありがとう。
名古屋北支部支部長 浅井裕雄
posted by nagoyakita at 16:59|
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