2016年11月03日

研修旅行2日目 〜 長崎 〜

 熊本で被災地の現況と人や組織の実態を、現地で仮設住宅や避難所の運営に携わる方々に直接話を聞き、いつか起こるであろう地元でしっかり備えていこうと意識をした初日。東北を個人で回ったときとはまったく違う生の声を聞くことができ、短いながら内容の濃い視察をさせていただいた。

 佐賀まで移動して宿にとったのは、吉村順三設計の旅館大正屋。名建築を楽しみながら美味しい食事をいただきすっきりリフレッシュできたのだが、何よりもこちらの予想を上回る数々の「おもてなし」にすっかり宿のファンになってしまった。



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 2日目の朝はバスで移動。近づくにつれ両窓から見える海と山並みにへばりつく数々の建物を見ると長崎に来たのを実感する。まずは平和公園を歩き原爆資料館へ。原爆の資料や被爆の惨状を切り取った数々の写真に胸が痛くなり、繰り返してはいけない歴史の重みを感じた。隣に建つ国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は建築コンクールでもお世話になっている栗生明氏の設計。地上の水盤や死没者数と同じ7万個の光ファイバーによる灯り、爆心地へ結ぶガラス列柱のある地下の追悼空間のなど、追悼と平和祈念への静寂で厳格な場となっている。


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お昼は元祖ちゃんぽんの店、四海楼。長崎ちゃんぽんや皿うどんなどご当地グルメを食べることができた。
 午後からは自由行動。私たちのグループはまず今井兼次設計の二十六聖人記念館と聖フィリッポ教会を見学した。そこでちょっと足を延ばしすぐ北の西坂町を散策。急勾配の坂を歩みながら、よく家が建っているなあと感心し、道だか人の敷地だか分からないような路地をどんどん歩いていくのが楽しい。地元の方に、ここ抜けていけるよと教えてもらった道が家と家のわずかな隙間で人ひとりがようやく通れるほどだったりする。家々は力強く建ち、敷地境界といった概念がまったくなく、使えるところは皆で使ってしまえというようなその地域の逞しさを心地よく感じた。


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次の目的地へは100年の歴史を持つ路面電車で移動。レトロな外観や運転席は哀愁があってよい。グラバー園と大浦天主堂を見学し、最後に居留地を散策し長崎の旅を終える。他のグループも出島や眼鏡橋や隈研吾設計の長崎県美術館などいろいろとまわったようだ。1日ではまわり切れていないかも知れないけれど長崎のよさを十分感じることができた。


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準備から現地のツアコンまで力を注いでくださった下村さんはじめ、支部の皆さんと周れたのは糧になりとても充実した研修旅行になりました。ありがとうございました。


名古屋北支部  堀 智永


posted by nagoyakita at 16:46| Comment(0) | 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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